27年ぶり日本での大規模個展「 デイヴィッド・ホックニー 展 」へ。1度目は7月に、2度目は10月に行ってきました。そして例の如くグッズ散財も!
東京都現代美術館では、2023年7月15日(土)から11月5日(日)まで、「デイヴィッド・ホックニー展」(主催:東京都現代美術館、読売新聞社)を開催します。現代で最も革新的な画家のひとりデイヴィッド・ホックニー(1937年、イギリス生まれ)の日本では27年ぶりとなる大規模な個展です。
ホックニーは60年以上にわたり、絵画、ドローイング、版画、写真、舞台芸術といった分野で多彩な作品を発表し続けてきました。本展は、イギリス各地とロサンゼルスで制作された多数の代表作に加えて、近年の風景画の傑作〈春の到来〉シリーズやCOVID-19によるロックダウン中にiPadで描かれた全長90メートルにもおよぶ新作まで120点余の作品によって、ホックニーの世界を体感できる機会となるでしょう。
東京都現代美術館 https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/hockney/index.html
購入した「自画像(2021年12月10日)」マグネット
デイヴィッド・ホックニー(David Hockney)
1937年7月9日生まれ(今展覧会時点で86歳)。イギリス・ポップアート界のパイオニア。
2018年のオークション(クリスティーズ・ニューヨーク)で『芸術家の肖像画-プールと2人の人物- (1972年)』が現存アーティストによる過去最高額の9031万2500ドル(約102億4459万円!)で落札されるという記録を持つ。
ホックニーからのメッセージ。会場でも上映されていますが、事前に観ておくのもいいかも。
大人気になるであろう展覧会。会期後半になるほど混雑すると予想して会期序盤の平日朝イチを狙って観に行きました。
展覧会は8章から成っていて、第7章と8章の以外は写真撮影は禁止でした(iPhoneなどの携帯カメラのみ可)。作品保護のために展示室内がとても冷えているので、ブランケット貸し出しがありました。真夏の7月は当然薄着でブランケットはもちろん借りましたが、それでも寒かったです。今の時期なら上着を羽織ったままの方が良さそう。
ロビーには「2022年6月25日、(額に入った)花を見る」のパネルがあって、記念撮影スポットになっていました。
キャリア60年以上ということで、油彩・版画・写真・コラージュ・映像・iPad作品などなど、作品数もバリエーションも膨大で、ボリューム満点の展覧会でした。
御年86になるというのに、iPadなどのデジタル機器をこうも使いこなせるのかという驚きもありますが、衰えることのない飽くなき探求心とそのエネルギーはどこから出てくるのか、と本当に圧倒されます。
そういえば、マティスも晩年ベッドの上でも創作活動を続けていましたもんね。湧き出てくるイマジネーションを形にしないと気が済まないということなのでしょうか。
iPad作品など、デフォルメされたような絵は素人目で自分でも描けそうに思ってしまいがちですが、作画過程タイムラプスの展示などを見ていると、「どう見るのか」「どう描くのか」ということがいかに難しいかということを思い知らされます。身動きが取れなくなるほどに引き込まれて、ずっと観ていたくなります。
ホックニーは自身が同性愛者であることを早くから公表しています。現在、国立新美術館で展覧会が開催されているイヴ・サンローランも然りで、芸術の世界では昔から性的マイノリティである方々が活躍していますが、当時は批判もされたであろう社会が垣間見えるような作品も。
なんとなくアートの世界は性的マイノリティの方が多いように見受けられるけど気のせいかな?(主張することが仕事だから目立つだけかな?)人はどんなに親しくても所詮は他人、分かりあうのは難しい。それが生物学的に男女という隔たりがあればなおのこと。芸術を志す人たちは感受性が豊かでセンシティブな人も多いでしょうから、異性よりも同性の方が分かりあえるというのもあるのかなぁ、なんてことをぼんやり思ったりしました。
2階の関連図書コーナーでは、ホックニーARが体験できるようになっていました。
撮影可能な第7章「春の到来、イースト・ヨークシャー」展示室。このときはまだ人もまばらで見やすかったです。
正面の巨大な絵、遠目でこれもiPad作品かと思ったのですが、、、
近づいてみると、なんと32枚のカンヴァスが組み合わさった油彩でした。
左右の壁面の絵は大判のiPad作品。
なんとなく「iPad作品なんて」みたいな手作業・アナログ信仰みたいなものがあるけれど、こうしてみるとちゃんと作品として成り立っていて、表現を実現するための立派な道具の一つなんだなぁと思います。固定概念に捕らわれずに新しい技術をどんどん取り入れてチャレンジしていく。なんてアグレッシブなおじいちゃんなんでしょうか。
↓ ホックニー著書。パラっとみたら面白そうだった。買おうかな...
最終の第8章は、全長90m!の大作「ノルマンディーの12か月 2020-2021年」が。
ノルマンディーの四季の移ろいが可愛らしくも美しく描かれていて、ぐるりと囲われた空間に身を置けば、メルヘンな世界に入り込めるような感覚に浸れます。
何時間でも観ていたいところでしたが、時間的にも体力的にも限界でした。もう1度と!10月に訪れたときには土日ということもあり大混雑で、全然ゆっくり観れなかったです(涙)。
そしてまぁ、作風からしてグッズは可愛いに決まっています。購買意欲をそそられまくりの買いまくりです。
一部のグッズは公式オンラインショップでも購入できます。
レストラン、カフェでは企画メニューとして限定のパフェが提供されていますが、昼を過ぎたばかりなのにもう売り切れていてありつけずでした。
できることならもう1度行ってゆっくり鑑賞したいところですが、もう会期終了が迫っていて混雑していそうなので難しそうかな。
巡回がないのが本当に残念です。
終始圧倒されっぱなしですが、なんだか元気をもらえるような素晴らしい展覧会でした!どうか長生きして頂きたいものです。
ではでは~