ART

ポーラ美術館 で”日本画”を考える @箱根・仙石原

※この記事では商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。

1泊2日箱根温泉旅行の〆は、念願の ポーラ美術館 へ。

ポーラ美術館

1日目はラリック美術館へ行き、

宿はこちらでした。

じゃらん から ”仙郷楼” を予約

ポーラ美術館は化粧品でお馴染みのポーラ・オルビスグループの創業家が収集したコレクションが元となっている美術館です。

アートの森で、響きあう。

私たちの美術館は、
箱根の国立公園にとけこむように立っています。
手つかずの自然と、人が手がけた造形。
ふたつがひとつになり、凛とした時間が流れる。

モネ、ピカソ、フジタ・・・そして現代の作家たち。
化粧道具や工芸品、その数は10,000点におよびます。
ひとつの作品から、ひとりひとりの感性へ。
アートが持つ力をありのままに届ける。
響きあうためのキュレーションとともに。

都市の美術館にないものを。

POLA MUSEUM OF ART https://www.polamuseum.or.jp/

自然の中に佇む美術館はエントランスへの渡り廊下も木々に囲まれ、ガラスの空間に足を踏み入れた途端非日常に誘われる、息を吞む美しさです。

ポーラ美術館
木漏れ日が美しい
ポーラ美術館
ガラスと自然が溶け込むような美しさに思わずため息

宿でコーヒーを飲めなかったので、真っ先にカフェ チューン(CAFE TUNE)へ(カフェイン中毒者なので)
カフェは有料ゾーンにあるので、展覧会チケットを購入する必要があります。レストランも併設されており、そちらは無料ゾーンにあります。

コーヒーだけ飲めればよかったのですが、美味しそうなデザートについつい目移り。焼きたてクロワッサンが残り1つと言われ、朝食をお腹いっぱい食べた後でしたが、誘惑に負けてオーダーしてしまいました。

ポーラ美術館
クロワッサンのセットは12時までの数量限定

コーヒーカップはソーサーとセットでミュージアムショップで販売されていました。お土産によさそう!


ポーラ美術館は屋外展示も豊富でレストラン・ミュージアムショップは無料ゾーンにあるため、展覧会を観ずとも楽しめますが、この日の予定はポーラ美術館のみだったので、もちろん展覧会も楽しみました。

このときは以下の展覧会が開催中でした。

まずは、企画展『シン・ジャパニーズ・ペインティング 革新の日本画 -横山大観、杉山寧から現代の作家まで-』から。

ポーラ美術館
Cerith Wyn Evans
(ケリス・ウィン・エヴァンス)
の作品がお出迎え
ポーラ美術館
企画展入口

「西洋画」との出会いによる「日本画」という自意識の確立から、西洋との交流・多様化、これからの日本画、というような日本画史を追うような展示内容です。一部撮影禁止でしたが、多くの作品が撮影可能でした。


太古の昔、自分たちのコミュニティだけで生きてきた人々に”国”としての自覚はなく、大陸という他者を認識して(他者から指摘されて)、初めて”国”として自覚した訳だけれど、
同じように日本の絵画も”西洋”を認識した(アーネスト・フェノロサが“JapanesePainting”と呼んだ)ことから、”日本画”という言葉が生まれたという。

徐々に西洋絵画の影響を受け、2次元的な表現に奥行が生まれ、絵具も発達していく。
西洋絵画もまた、日本の文化を取り入れていく。

実際、近現代の”日本画”として展示されている作品をみると「これも日本画なの?」と唸ってしまいました。

結局、”日本画”と”西洋画”の違いというのは、主として使用する画材が”岩絵の具”か”油絵”であるか、ということになるようで。

とはいえ、油彩であってもモチーフが純日本的であれば、”日本画”ともいうらしく...。

岡田三郎助「あやめの衣」1927年
油絵であるが、モチーフと描き方からして日本画ということ?

しかしゴッホが日本画的に描いたとて、それは”日本画”と言えるのかというと、微妙かなと(広義では日本画といえるのかもしれないけど)

李禹煥(Lee Ufan:リ・ウファン)も蔡国強(Cai Guo-Qiang:ツァイ・グオチャン)も日本人ではないが、日本を拠点に活動する(していた)作家であるし。これらの作品がもし、日本で活動・制作されていないならば、”日本画”とは言わないのだろう。
下記の作品どちらも岩絵の具は使用していない。蔡国強は火薬がメインだし...

李禹煥「無題(海より)」1985年
蔡国強「四季頒歌」2009年

というように、”日本”とつくからには、やはりアイデンティティが日本であったり、活動場所が日本ということも”日本画”という定義の一つであるようにも思う(当たり前か...)


作家とすれば、自分が表現したいものにマッチするのがその画材・画風だった、というだけで日本画あるいは西洋画という意識なんてないのかもしれない(派閥に所属している場合や意識している人もいるだろうけど)。だけど、作品を説明をする際に分類されていた方が容易いので、分類するのだろうと思う。

「卵が先か鶏が先か」ではないけれど、
”日本画”という言葉が存在しているために、そこに当てはめたいという心理もあるのかもしれない。と言葉が思わせるのであれば、やはり言葉の力はすごいという脇道なことにも考えが巡る...。

確かに、西洋のモチーフであっても岩絵の具で描いていれば、日本画として(言われれば)見えるし、
3次元的な絵であっても岩絵の具であれば、日本画として(言われれば)見えるので、”岩絵の具”というのはやはり指標なのか。

ただ、「言われれば」というように、古典的な作品でなければ自力で”日本画”と認識するのも難しいな、と思う。

油絵で日本的な絵を描いて「これは日本画です!」と言われても否定しきれないし、
岩絵の具で描いているけど、作家が「これは日本画ではない!」と言ってしまえば、それも否定しきれない気がするし。

結局言ったモノ勝ちという気がしてきた。

”日本人”である、というのは日本国籍を持つという明確なルールがあるが(民族的な分け方もあるけど)、アートの世界において(伝統工芸などは除いて)ルールというものはもはや野暮というものだ。(しかし人間というものは分けたがるカナシイ性分を持っているのだ)


どんどんミックスされていくその先はどうなるのか。
多様化が進み、もはや分類はできなくなり、個性も埋没していくような気もする(もちろん作家毎の個性はあるが広い意味で均一化されていくというか)。そうなると今度は”純粋性”というものにフォーカスされていく気がしてくる。
誰がどう見てもきちんと分類できるような、そういうものに価値を見出すようになってくるのかなぁ。

なぁんてことをぐるぐると考えさせられた展覧会でした。

こちらのインスタレーションは会期中にお客さんが観覧している中で4~5日程で制作されたのだそう。


コレクション展もよかったです。
企画展の話で疲れたのでここからはサラッと...
点数は少なかったですが、名作揃いで見応えありました。こちらは全て撮影は可能でしたが、一部SNSへの投稿不可となっていました。


屋内展示を観たあとは、屋外展示へ。屋外展示は無料ですが閉園時間が設けられていますのでご注意を。

この屋外展示がよかったですねぇ。
気候も良く、久々に自然を全身に浴びて本当に気持ちよかったです。


屋外展示をぐるっと見た後は併設のレストラン アレイ (RESTAURANT Array)で昼食をとりました。
こちらは美術館無料ゾーンにあるので、屋外展示とこちらのレストラン利用だけでも楽しめますね。

美術館のレストランということで割高ではありますが、美味しかったです。
テラス席にしてもらえばよかったなぁ...。


ミュージアムショップも充実していて、つい余計なものも買ってしまいそうな品揃えです。
ハマスホイが気に入り過ぎて、トートバッグとポストカード、マグネットを購入してしまいました...。

ポーラ美術館

オンラインショップでも購入可能です。


10:45頃から昼食を入れて14:30頃まで滞在し、美術館を後にしました。

帰りは宿に荷物をピックアップしに行き、高速バスで帰宅。
宿が本当にアクセス良くて助かりましたし、そんな宿を選んだ自分グッジョブ!でしたねぇ。

他にも良さそうな宿がありましたし、箱根は近いのでまた行きたいと思います。
次こそは運転を練習して車で...!

ポーラ美術館

基本情報

ポーラ美術館

〒250-0631 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山 1285
TEL:0460-84-2111

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