2023.09.28(木)ATELIER MUJI GINZAで行われる JAPAN CRAFT 「 百工のデザイン 」展のレセプションにお誘い頂き、自分なんぞ場違いなのでは...と思いつつもせっかくの機会なのでお言葉に甘えて、一足お先に観に行ってきました。
Life in Artは株式会社良品計画が主催する日常芸術をテーマにアート (=文化) を広げるプロジェクトです。2011 年に始動した本プロジェクトは、2021 年は「アート」、2022 年は「デザイン」、そして今年は「クラフト」をテーマに掲げ、『JAPAN CRAFT』と題し、日本各地に広がる日用の工芸にスポットをあてた展覧会を開催致します。
ATELIER MUJI
https://atelier.muji.com/jp/exhibition/5959/
総勢104組の陶・木・金・ガラス・皮革・漆・竹などなど、各分野の工芸作家の作品が一同に会した様は圧巻でした。
割合としてはやはり陶磁器の作品が一番多かったでしょうか。
個人的な感覚なのですが、”伝統工芸”と”クラフト”は何となく分かれている気がしています。というか自分の中で言葉を使い分けているという方が近いかもしれません(うまく説明できない...)。”クラフト”の方がカジュアルな印象として捉えています(両方を跨いでいる作家さんもいらっしゃいますが)。
で、こちらの工芸展。やはりですが、クラフト寄りという印象です。現代の暮らしには伝統工芸というよりクラフトの方が合わせやすいですしね。
もしかしたら自分のこの感覚は古いかもしれないけど...
企画担当者の方と少しだけお話できましたが、104組というのは、限られた時間の中でお一人(!)で作家を訪ね周り、時には断られ...ということもあっての104組だったそうです。多分に担当者の嗜好も入っているかと思われます。
大家と言われるような方は入っていなかったりしますし(作家も発表する場は選びますし)、この”百工”に選出されなかったからどうとか、選出されたからといってその分野を代表しているという訳ではないので、その辺りの見方は注意です(企画としてもそのつもりはないと思います)。
見ている中で、攻めたもの(デザイン)が好きですよね、と言われました。
特に陶芸の作家ってゴマンといるのですよね。
例えば、”粉引き”の作家の器を並べたとして、どの器がどの作家のものかというのは、中々当てられないと思います。元々”器”という用途の制約があり、さらに技法が同じである場合は特に個性を出しにくいものではあると思います(もちろん作家とてそのために様々な試行錯誤を行っている訳ですが)。なので、個性がよく出ている作品=攻めた作品に目が行くのだと思います。
絵柄のない器ももちろん好きなのですが、そういう意味でやはり絵付けの器は個性がよく出るので好きです。絵付けであったり、象嵌や練りこみのような技法に着目した選定ももう少しあったら良かったのになぁとは思いました。伝統工芸の世界でも形の方が評価されがちで...と嘆いていた絵付けの先生もいましたけどね(当時、力のある批評家がカタチ重視だった、というのもありますが)。
これだけの多様な作品を一度に見られるのは貴重ですし、知らなかった作家や作品との出会いも楽しいです。会期は展示のみと購入可能期間とに分かれていて、購入可能期間は予約制なので注意してください。
数名ですが、作家さんや他のアーティストの方ともお話ができて楽しかったです!
日を改めて日中時間帯にも観に行ってみようかと思います。
いい機会をありがとうございました!